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教育?学生生活

2023年9月


子育て講演会 「はらっぱ」におじゃましました2023! Part2!

2023年9月22日(金)に真人网娱乐平台_888真人娱乐网址@5年度 第2回 子育て講座「はらっぱ」が十文字女子大附属幼稚園で開催されました。
今年で16年目になる子育て講座「はらっぱ」は、十文字学園女子大学と十文字女子大附属幼稚園の共催となっており、附属幼稚園に大学から先生をお迎えして、附属幼稚園の保護者の方や地域の皆さんを対象に専門家のお話を聞ける講座となっております。参加費は無料。現地参加とオンラインの同時開催です!

「根を育てる生活~幼児期に大切にしたいこと~PartⅣ 」

十文字女子大附属幼稚園 
園長 伊集院理子 先生

【講義概要】幼児期の教育は、子どもたちがこの先成長していく上での根の力を培う重要な役割を担っています。今年は、子ども達の「表現」に焦点をあてて、幼稚園の生活の中でどのような子ども達の表現が立ち現れているのか、それらが子ども達の根の力にどうつながっていくのか、幼稚園での遊び?生活の様子もたくさんご紹介しながら、保育者としての歩みの中で学んできた事、今も考え続けている事などを織り交ぜて、「表現」についてお話します。


【略歴】お茶の水女子大学家政学研究科児童学専攻修士課程修了(家政学修士) お茶の水女子大学附属幼稚園教諭?副園長?十文字学園女子大学人間生活学部幼児教育学科教授を経て、十文字女子大附属幼稚園長 〝子どもたちと一緒に遊ぶ″をモットーに、日々子どもたちと楽しんで過ごしています。
 毎年お聞きしている園長先生のお話ですが、毎回新しい内容が盛り込まれ、子ども達にとって大切なこと、園が大切にしたいことが伝わってきます。今回もパワーアップした、伊集院先生のお話をお聞きすることができました!
園長先生のお話から、一部をご紹介いたします。

今回の講義の主な内容

1、 一人一人に応じることから
2、 幼児教育 環境を通して行うもの
3、 その子らしい生活のはじまり
4、 就学前教育は根の教育 倉橋惣三の考え
5、 心の表現が見えてくる ~美しさ?完璧さを求める~
6、 生活の誘発 大人がモデルになる
7、 機会の補足 子どもがあらわし来る機会を受け止め(受動)働きかける
8、 生活の中での表現 造形表現?身体表現?音楽表現が深く結びつきあっている
9、 表現 ものとの対話?自己との対話?そして仲間との対話
10、 表現体験 からだに刻み込まれて深く残る
11、 表現を通して 想像力?感性?根の力が蓄えられていく

1、一人一人に応じることから

 入園して間もない子どもたちは、緊張していて、なかなか園になじめない子もいるので、先生方は一人ひとり丁寧に、丁寧に、その子一人ひとりに合った方法で、関わっていく。関わりを通して、子ども達一人ひとりと確かな信頼関係を築いていきます。言葉だけでなく、身体の様子から、子どもたちの心の内を読み取っていきます。先生が与えるだけではなくて、子どもたち一人ひとりが心を動かして、何かに取り組むことを大事にしていく。そのためには、思わず取り組みたくなるような遊具や環境づくりがとても大切。


2、幼児教育 環境を通して行うもの

幼稚園教育要領  第1 幼稚園教育の基本
 幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、幼稚園教育は、学校教育法に規定する目的及び目標を達成するために、幼児期の特性を踏まえ、環境を通しておこなうものであることを基本とする。
 このため、教師は、幼児との信頼関係を十分に築き、幼児が身近な環境に主体的に関わり、環境との関わり方や意味に気付き、これらを取り込もうとして、試行錯誤したり、考えたりするようになる幼児期の教育における見方?考え方を生かし、幼児と共によりよい教育環境を創造するように努めるものとする。


幼児教育は環境と通しておこなうものである と幼稚園教育要領にも明記されている。
「どんな環境が用意されているか=教育の質を決める」ほど大切なこと。
思い思いのことを自分から始める。
思い思いのことをやっている他の子どもがいる この環境がとても大事


一斉にお絵かきさせるのではなく、さりげなく机の上にクレヨンと紙を置いておく。子どもが興味をもって絵を描き始める。その傍らには、先生も一緒になって楽しんでいる。物だけでなく、教師が一番大事な人的環境である。


3、その子らしい生活のはじまり

一人ひとりが何をするか、どう過ごすか、自分で決めていく生活
?保育者にありのままの自分を受け止めてもらえる
?自分の落ち着ける場所をみつける               
?「やってみたい」と心が動く「もの」を見つける        
?お気に入りの「もの」を見つける  

     

その子らしい生活のはじまり

4、就学前教育は根の教育 倉橋惣三の考え

大正時代から昭和前半の時代、「幼児教育の父」と呼ばれた倉橋惣三は遊びを中心とする子ども主体の幼児教育を提唱し、理論においても実践においても大きな改革を進めた。

倉橋惣三の「就学前の教育」(昭和6年)より

 人生の教育の全過程に対する基本として、重要なるものは、知能の早き獲得にあらずして生命の発展勢力の増進と統制とにある。
無限の元気であり、多面の興味であり、不断の試行力であり、しかして、年齢に相応せる適度の自己統制とである。皆これ、知能の成果ではなくして、生活活力そのものである。生活活力は根の力である。すなわち就学前教育は根の教育である。根の力は、自己発展力である。すなわち、就学前教育は自己発展力の教育である。(中略)就学前の教育は、小さき成果を意とすることなく、どこまでも、根を根として培養する教育である。

 目先の結果に囚われずに、子どもの今の興味、今心を傾けていることに十分取り組めるようにしていくと、子ども自身の伸びていく力が十分発揮されていく。まず一人ひとりの「生活活力」「自己発展力」を育てていかなければ根を根として培養することはできない。

5、心の表現が見えてくる ~美しさ?完璧さを求める子ども達~

 子どもたちは、周囲の環境(もの?ひと?こと)に何らかの行為を通して関わっている。
子どもたちの行為に着目して動詞でとらえてみると、子どもたちが何に心を傾けているのか、子どもたちが体験しているのはどういうことなのかが見えてくる。
集中して自分の内にあるものに向き合っていくと、子ども達はその時の自分の感性として完璧なものを求めて、表現していく。これが、こどもの遊びであり、表現なのである。

ものに向き合って、ものの特徴をとらえて、深く考えいろいろ試しながら、美しさ?完璧さをもとめていく。

 表現というと、どうしても形になっているとか、見て分かるとか、子ども達の表現もそうしたものに近づけていくことが望ましいと考えてしまいがち。このような自由な発想を持っている子ども達の表現を型にはめないようにしたい。
 言葉で表すことができない、説明できない遊びが、子ども達にとってはとても大事で、それらは、子ども達の心の中を表している大事な表現である。

6、以降の項目については、子ども達の遊びの動画をたくさん紹介しながら 

 築山の上で踊る子どもの動画や、先生のモデルになる動きで、ダンスの表現が豊かになる子どもたちの動画。
先生のクリスマス会の発表後に、子どもたちが進んでマネをし、自分たちのクリスマス会を作っていく動画。
卒園間近になり、自分たちでセットを作り、動画を撮影し、編集したりして、完成させていく様子を紹介した動画。
など、園の生活の中で、子どもたちが進んで考え、行動していく様子を紹介。

 子ども達が始めた遊びを大事に受け止め、それが繰り返し取り組まれるよう、変化発展していくよう、受動の活動を周密にしながら機会を捉えて働きかけていく、そうした関わりを教師側が意識していることが大事。教師が前面に出すぎることは、反対に子ども達の表現の実現を阻むことになっていく。主語を親に置き換えても、そのまま成立すること。

 生活の中で立ちあらわれてくる子ども達の表現を受けとめ、大人の知恵も加えて一緒に楽しみながら、豊かな表現活動を目指していく中で、一人ひとりの感性?創造力?表現力が豊かになり、それに伴い一人ひとりの根の力も蓄えられていくのである。

最後に

一人ひとりの「今」を大事にする生活が子ども達の未来につながっていく

 どんな時も一人ひとりの今を大事にする生活 そして人と人がつながっていくことを楽しめる生活が、子ども達の表現する力にもつながって、子ども達の根の力を強めていくのだということ、そしてそれらは、必ずこの先の生活において、一人ひとりの成長を支えていく力になっていく、ということをお伝えさせていただいた。