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教育?学生生活

2021年9月


子育て講演会 「はらっぱ」におじゃましました2021! part2!

2021年9月24日(金)に真人网娱乐平台_888真人娱乐网址@3年度 第2回 子育て講座「はらっぱ」が十文字女子大附属幼稚園で開催されました。
今年で14年目になる子育て講座「はらっぱ」は、十文字学園女子大学と十文字女子大附属幼稚園の共同開催となっており、附属幼稚園に大学から先生をお迎えして、附属幼稚園の保護者の方や地域の皆さんを対象に専門家のお話を聞ける講座となっております。参加費は無料。現地参加とオンラインの同時開催です!

テーマ:「根を育てる生活~幼児期に大切にしたいこと~PartⅡ」

十文字女子大附属幼稚園 園長 伊集院理子先生

附属幼稚園の園庭

【講義概要】幼児期の教育は、子どもたちがこの先成長していく上での根の力を培う重要な役割を担っています。子どもたちはどのように幼稚園で生活しているのか、幼稚園での遊び?生活の様子をご紹介します。昨年は「根」の大元の事を中心にお話しました。今年は「根」を確かなものにしていく年中?年長の頃に視点を置いて、子どもたちが経験していること、大切にしたいことなど、保育者としての長年の経験から学んだできたことをお話しします。
【略歴】お茶の水女子大学家政学研究科児童学専攻修士課程修了(家政学修士) お茶の水女子大学附属幼稚園教諭 副園長 十文字学園女子大学人間生活学部幼児教育学科教授を経て、十文字女子大附属幼稚園長。
十文字女子大附属幼稚園で園長をされている伊集院先生が、幼児期に大切なこと、また幼稚園で実践されていることや、子ども達の普段の様子などを、写真や動画などを交えて分かりやすく説明してくださいました。大学の先生をされていた事もあることから、海外や日本の文献を理論なども交え、説明してくださっています。
「コロナ禍でいろいろな制約があるけれど、子どもたちの生活を守りたい!」と思い、「本気で子どもたちと遊ぶ」をモットーに日々子どもたちと楽しんで過ごされているそうです。
*昨年の講演の様子は過去の若桐ダイアリーをご参照ください
ホーム > 教育?学生生活 > 同窓会について > 若桐ダイアリー > 2021年1月


今回の講演の主な内容

?一人一人に応じることから
?その子らしい生活のはじまり
?3歳児の生活
?根を根として培養する教育 倉橋惣三の考え
?根を強くする 葛藤期の生活
?自我と第2の自我の自己内対話
?「私は私」「みんなの中の私」のバランス
?みんなで取り組んだ年長児の活動


先生のお話をお聞きした中で、いくつかご紹介したいと思います。

入園当初の様子

入園当初の頃は、泣いたり、固まったり、すぐに飛び出して行っちゃう子も毎年います。不安な気持ちをその子なりに表している姿。そういう姿を先生方は丸ごと受け止め、それぞれの子どもたちが安心して過ごせるように、一人一人丁寧に関わっていきます。一人一人に応じることが何よりも大切。

左の写真:リュックサックを下ろすことを嫌がる子がいたら、「そのままでいいよ」と声をかけ、さりげなく椅子に座らせて、絵本を読んで、緊張をほぐしている様子。


右の写真:園庭で子どもの気持ちを引きそうな遊具を先生が率先して動かして、子どもたちの動きを引き出している様子。


先生と一緒にいると安心という気持ちになり、先生の周りには自然と輪ができる。先生はどんな時も受け止めてくれるという信頼感。それがまず一番大切である。
幼児期に大切なことは、自分でやりたいことを見つけて、それをやってみる。やってみて、いろいろな事を身体で感じること。
子どもたちが自由に行動していると、先生たちは楽なのではないか?という意見もあるが、子どもたちが自分で決める、自分で選ぶという事は決して簡単なことではない。自分で選んで考えて行動する、行動しながら学んでいくという事がこれからの社会には求められていく。
子どもたちを集めて、「今日はこれやりますよ」と決めて行動すれば、子どもたちは「そういうものなんだ」と思ってしまう。長い学校生活のスタートとなる幼稚園の生活で、始めの一歩から自分で決めることを経験できるか、与えられることに甘んじていくか、大きな違いにつながっていくと考えている。やることをこちらから与えてしまうのではなく、一人一人が心を動かして何かに自分から取り組めるようになっていく。これが、始めの大事な一歩。幼稚園という所は、自分がやりたい!と思ったことが、できるところなのだと、まず心底思ってもらいたい。


根を根として培養する教育 倉橋惣三の考え

十文字女子大附属幼稚園は子どもの自発性を尊重した保育。
倉橋惣三は日本のフレーベル(世界で幼稚園を初めて作った人)、日本の幼児教育の父と呼ばれている人。お茶の水女子大附属幼稚園の前進である、東京女子師範学校附属幼稚園の主事(園長)を務めていた。お茶の水女子大附属幼稚園や十文字女子大附属幼稚園は、倉橋先生の保育理論を継承してきている。
経済学?経済教育学のJames J.Heckman(2000年にノーベル経済学賞受賞)は意欲?自信?忍耐?自制?共感などの非認知的能力が人の生涯にわたって幸せを支える力として有効であると論じている。
またOECD(経済協力開発機構)も「社会情動的スキル」に注目したレポートを発表した。その中で重要視された力は?「長期的目標を達成する力」?「他者とともに物事を成し遂げる力」?「自己の感情を調整、マネジメントする力」 幼児期にこれにつながる力を付けていくことが、これから益々求められていくと思う。

最近になってから非認知的能力という言葉が使われるようになってきたが、日本においてはすでに大正から昭和の初めの頃にかけて倉橋先生が同じような事を言ってくれている。倉橋 惣三「就学前の教育」
欧米では知的教育に重点を置いてきたという歴史があるが、日本では倉橋先生の考えを源流にして、根の力をもつ子どもたちを育てようという考えが継承されている。字が書けるようになったとか、絵が上手にかけるようになったとか、縄跳びが何回飛べるとか、目先の結果にとらわれずに、今子どもが興味を持っているもの、今心を傾けているもの、それに充分取り組めるようにしていくこと、これが「自己発展力」(自分自身で伸びていく力)につながる。それは、必然的に「多面の興味」にもつながり、簡単にできないことに自分から向かっていく、最後までやり遂げる「不断の試行力」にもつながる。根を根の力として培養する教育である。
先々の事を心配して準備教育に走るのではなく、幼児期は根の力を育てる大切な時期である。


4歳児~5歳児後半 自己内対話

幼稚園時期後半に根を太く、強くするためには、どうしていけばいいか?

4歳児後半~6歳の間は「自己内対話成長期」となる。
「友達が仲間に入れてくれない」など困ったことがあっても、自分で解決し子どもが成長するチャンスだと思って、親は子どもの力を信じて見守ることが大切。
自己主張でいっぱいになっているこの時期の子どもに対して意識していることは、子どもの主張を受け止めつつ、「だけどね、お友達はどう思っているのかな~?」「今みんなで〇〇していたところだったよね~」と周りの友達の気持ちその時の状況に気が付けるようにしていく。「こうしたほうがいいよ」など子どもの進むべき方向を先生が決めてしまうのではなく、より良い解決方法を子どもたちと一緒に考えていくことを大切に意識している。
子どもの強引な要求を言われるままに通してしまうのではなく、大人の圧力で「それはできない」とつっぱねてしまうのでもなく、どうしたらお互いが活かされるか、第3の道を見つけるということを意識して保育をしている。第3の道を一緒に考えていくことがとても大切。


「協働的な活動」の紹介

違いを活かしあいながら、みんなと協力していく事を大切に担任として実践した「地球ワールド」でのK君の物語を紹介。一昨年「恐竜パーク?動物園」、昨年の「あお?しろパーク」活動(年長組)の紹介。
子どもたちが自分たちで考えて制作し、下の学年の子どもたちを招待。地図を作ったり、チケットを作ったり、お土産も作って活動をした。

こうした活動を通して、「私は私」だけではなく「みんなの中の私」の両方のバランスがとれるようにだんだんに導いていくこと。

幼稚園の生活は、子どもたちの中から生まれてくる能動的な思いから、子どもが自分一人でもやりたいことをつらぬくこと、友達と共通の思いを持ってそれを実行していくこと。先生と子どもたちとで両方を実現していく生活。

十文字附属幼稚園は、子どもたちをただ遊ばせているのではない。子どもが始めることに意味を見出し、それがさらに おもしろく 豊かになるように、大人の智恵を加えて、その時その時 一緒に楽しんでいく。一人ひとりの「今」を大事にする生活。人と人がつながっていくことを楽しめる生活。それが子ども達の根の力を強めていく。

取材を終えて

伊集院先生は、理論的なことだけではなく、実際の子どもたちの様子や活動を、写真や動画を交えながら、いろいろな事を伝えてくださいました。
年長児の活動では、子どもたちが自分で考え、相手の気持ちも考えながら活動している様子。またその様子をみて、学んでいる年少さんや年中さんの姿を紹介してくださいました。自分で考え、行動できる力。またそれが集団となって、同じ方向を向いて、友達と相談し、助け合いながら行う活動。年長さんの活動はとても幼稚園の子どもたちが考え、作成したとは思えない、素晴らしい内容でした。
寒さや暑さに負けない強い根をはり、たくさん葉っぱを増やして成長してほしいですね!